自然治癒力を高める「メディカルハーブ」とは?メディカルハーブの基礎知識

2018.10.21ハーブの基礎知識

心と体の健康維持に役立つとされるメディカルハーブ。日本ではまだなじみの少ないメディカルハーブですが、海外では薬の代わりとしても使われるほどポピュラーです。

今回はメディカルハーブの歴史や摂取する際の注意点など、メディカルハーブを使用する前にぜひ知っておきたい基礎知識についてご紹介します。

 

メディカルハーブとは

メディカルハーブとは、人間の自然治癒力を利用して病気の予防や治療を行う「自然療法」の1つで、ハーブに含まれる成分またはハーブそのもののことをいいます。ほとんどのハーブには何らかの有効成分が含まれていますが、中でも特に薬効性が高いものがメディカルハーブです。

例えば、体を温める効果のあるショウガなどもメディカルハーブの一種。メディカルハーブには体と心の両方に作用する成分が数多く含まれており、生物の回復力である自然治癒力を補助する作用があるといわれています。また、医薬品よりも薬効成分が少ないため効き目が穏やかで、副作用がほとんどないのが特徴です。

 

メディカルハーブの歴史

メディカルハーブを利用した自然療法は、今から5000年以上前の古代エジプト時代から行われていました。現在は薬や手術など治療を行う西洋医学が一般的ですが、当時はさまざまな植物が治療に用いられていたのです。

その後19世紀に入る頃には、植物の中から薬効成分のみを抽出した医薬品が次々と作られ、メディカルハーブをはじめとする自然療法は徐々に影を潜めていきました。しかし近年、自然療法の副作用の少なさや体質改善の効果が注目され、メディカルハーブは再び利用され始めています。

 

メディカルハーブを摂取する前に

ハーブティーとハーブチンキの違い

ハーブチンキとは、ハーブの有効成分をアルコールによって抽出した液剤で、ティンクチャーとも呼ばれます。ハーブの有効成分は、主に「水溶性」と「脂溶性」の2つに分類されています。

【ハーブに含まれる有効成分】

●水溶性:アルカロイド、タンニン、サポニン、フラボノイド、ビタミンCなど…

●脂溶性:精油、脂肪酸、フラボノイド、カロテノイド、ビタミンA・D・E・Kなど…

このうち両方の有効成分が溶け出すものをハーブチンキ、水溶性のみが溶け出すものをハーブティーといいます。そのためハーブチンキの方が、水やお湯で有効成分が溶け出すハーブティーよりもより効果が期待できるでしょう。

新鮮な水と安全なアルコールに漬けて熟成されたハーブチンキは薬効成分の質が良く、長期保存ができるという特徴もあります。体内への吸収も早いため、ハーブの有効成分を効率よく取り入れたい方には特におすすめです。

 

ハーブティーの1日の摂取量

自然治癒力の向上が期待できるハーブティーですが、薬のような医薬品とは異なります。そのため1日の摂取量について決まりはなく、1日何杯以上が良いということはありません。

ただし、ハーブのなかには種類によって刺激の強いものもあるため、飲み過ぎには注意が必要です。必ずしも症状が出るわけではありませんが、1度に大量に摂取することは避けましょう。子宮の収縮を起こしやすいハーブもあるため、妊娠中は医師に相談してから飲むほうが安心です。1日1杯、もしくは2杯程度にとどめておくのがよいでしょう。

 

メディカルハーブ使用時の注意点

【1】ハーブは無農薬のものを選ぶ

外国産のハーブの中には、農薬や化学物質などで汚染されているものもあります。これらの有害物質はハーブの有効成分と一緒に抽出されてしまうため、体には悪影響です。メディカルハーブを使用する際は、農薬などを一切使用していないオーガニックなものを選んでください。

【2】飲むタイミングを考える

ハーブの効果を十分に実感するには「効果を発揮できるタイミング」で飲むのが大切です。食前・食後・寝る前など、ハーブの有効成分を考えて、適切な時間に飲みましょう。以下で代表的なメディカルハーブの例をご紹介します。

ジャーマンカモミール

認知度が高く、もっとも有名なハーブ。胃腸の不調から不安や緊張、筋肉のこわばりなどをやわらげ、精神の安定に効果がある家庭の常備薬的な役割を果たします。ジャーマンカモミールを淹れるとき、長く置けば置くほど味は濃く、苦味も強くなります。快眠目的であれば、お休みの30分前にほんのり暖かい温度で飲むと良いでしょう。

おすすめ抽出時間:3分程度

ペパーミント

主成分をメントールとする、爽やかな香りのハーブ。メントールの清涼感あふれるスーッとした香りが鼻水・鼻づまり・せき・頭痛などの症状を緩和してくれます。また胃腸の調整やリフレッシュ作用などがあり、眠気覚ましにも効果があるでしょう。

おすすめ抽出時間:2~3分程度

生の葉の場合、しっかりと煮て味を出すと色が茶色になります。乾燥葉の場合、甘みを出したいときは5分以上待ってください。

【3】アレルギーがある場合は慎重に

メディカルハーブは植物のため、アレルギー反応が出ることもあります。特に花粉アレルギーを持っている方は、カモミールなどキク科のハーブに注意してください。命に関わるほど重い症状が出ることはほとんどありませんが、喉のかゆみや息苦しさを感じることがあります。身体に少しでも異変を感じたら、すぐにかかりつけの医師に相談しましょう。

【4】薬との飲み合わせに注意すること

メディカルハーブに含まれる薬効成分によって、飲んでいる薬の効果に影響が出ることもあります。例えば、リラックス効果が期待できるペパーミントには血圧を上げる作用があり、降圧剤の効果を打ち消してしまいます。薬を服用している人は、医師に相談してからメディカルハーブを使用しましょう。

 

まとめ

メディカルハーブは、私たちが生まれつき持っている自然治癒力を最大限に引き出すことのできる薬効植物です。普段の生活にメディカルハーブを取り入れることで心身ともにリラックスでき、心と体のバランスを整える効果も期待できます。メディカルハーブを上手に使って、毎日の暮らしをもっと華やかにしてみてはいかがでしょうか。